東北を新しく創造する

震災から立ち直るために

東日本大震災によってもたらされた影響はいうまでもなく甚大だ、それまで基盤としていた事業や収益、振興などは全て白紙になったと見てもいいほど由々しき事態だ。特に農業や漁業という面では大いに被害額は数字にすれば恐ろしいほどの負債となる。放射能と津波、両方の災悪に見舞われたことによって事業を廃止しなければならなくなったという人は数知れず、震災によってそれまで以上に現代社会特有の問題となっている人口減少に高齢社会化、さらに産業の空洞化を恐るべきスピードで加速させてしまった。それまでも問題になっていたのは言うまでもないが、震災と原子力事故によってますます深刻な問題と化してしまった。あくまで個人的な推測に過ぎないのだが、この日本という国で特に先に挙げた三つの問題を解消しなければならないのは、東日本大震災の被災拠点ともいえる岩手県・福島県・宮城県だろう。復興を行った後、その直後には人口をどうにかして増やす手立てを考えなければ県の財政そのものが整わない。そうなれば辛うじて被害が最小限で済んだ人々にも、まともな生活をするための援助が出来なくなってしまう。

こうした問題を早急に開発するため、復興庁が推進している東北の復興モデルというものがある。そのテーマとして出されているのが『創造と可能性の地』というものだ。これはつまり震災によって荒野と化した東北地域を復旧すると共に、それまでになかった新しい未来の日本都市として建造して行こうとする表明でもある。言葉だけで聞いてみれば確かに夢のある内容のようにも思うことは出来るが、実際に東北をどのように作りかえるのだろうというか、気になるところでもある。それでは復興庁が進める『新しい東北』とはどのようなものなのかを少し考察して行こう。

5つの柱を基盤とした、改革された東北地方

復興庁が勧めている新しい東北のビジョンとしては、その大きな根幹として5つのテーマを定めている。まずはその柱を先に紹介していこう。

  • 1柱:元気で健やかな子供の成長を見守る安全な社会
  • 2柱:『高齢者標準』による活力ある超高齢社会
  • 3柱:持続可能なエネルギー社会(自立・分散型エネルギー社会)
  • 4柱:頑健で高い回復力を持った社会基盤の導入で先進する社会
  • 5柱:高い発信力を持った地域資源を活用する社会

上記のような社会システムを構築することによって、新しい東北とすることを目標にしている。この5つの柱というのは日本神話における天地開闢時において現れた5柱の神々と掛けているのかも知れない、彼らから更に枝分かれをしてやがて日本創造において重要な存在となるイザナギとイザナミの誕生に繋がって行くので、神話から垣間見る天地創造を理想としているのかもしれない。

では少し、これらの柱についてもう少し分析してみるとしよう。

1柱の『元気で健やかな子供の成長を見守る安全な社会』とは

震災によって大人もそうだが、やはりその傷の大きさは子供にとっても同じこと。特に多感な時期に恐怖体験をしてしまえば後の人格形成に左右されることになるかもしれないというのもあるかもしれない。そうした中でまずやらなければならない事は、子供たちが安全に脅威に脅かされる事のない、安全な社会の形成は目下必要事項だ。また教育として必要な機関の整備も急務であり、治安を維持することは被災地にとっても外すことは出来ない事案だ。

2柱の『高齢者標準による活力ある超高齢社会』とは

今後は60代以上となる超高齢者が増え続けることになると言われている中で、そんな人々が自立した生活を推進することが出来るように健康面を始めとした生活支援を行うために必要な、あらゆる整備を進行しなければならないというものとなっている。

3柱の『持続可能なエネルギー社会』とは

こちらは原子力発電所などこれまで利用していた既存のエネルギー技術に頼る事無く、自然を生かしたエネルギー生成をもってして充実した社会を形成するものだ。身近な例としては太陽エネルギーが最も分かりやすいところだ。それ以外にも風力や水力といったものもあるが、これらのエネルギー開発を実現するには天文学的な開発資金が必要となる。それらの資金源を何処から確保するのかが課題として立ちはだかるところでもある。

4柱の『頑健で高い回復力を持った社会基盤の導入で先進する社会』とは

震災によってより強化しなければならないと感じたのは、地域住民が非常事態において連携して行動することこそ、人的被害を最小限に留めることが出来るといえる。そのため日頃から防災活動を始めとした行事を積極的に開発し、核家族化している社会において隣人と分かりあう、古代の日本で言うところの侘び寂を回顧するべきといったところだ。一理あるが、これも現代で実現させるとなると相当数の努力が必要となるだろう。

5柱の『高い発進力を持った地域資源を活用する社会』とは

最後の基盤には新たな価値共創ビジネスの推進、豊かな観光資源の活用によってそれまで以上に他の地域から訪れる人々を歓迎するために新たな事業を展開するというものだ。どうしても震災した地域ということ、そして放射能の恐怖もあって観光ビジネスは衰退してしまっているためいかにして盛り返すかが分岐点だ。

推進は進行している、だが

復興庁と東北被災三県が連携することでこれらの計画は成し遂げられる、つまり単純に復興庁だけが推し進めているだけでは完遂することは出来ない。また県としてだけではなく県民にも復興事業として新しい東北を形成するために活動することが義務付けられている。それはつまりやらなければならない事が目白押しということだ、地域を活性化することも目的としている事を考えれば非の打ち所のないものだが、実際の中身を見るととてもではないが計画が純然たる意図で勧められているとは言えない。

どういうことか、それはこれらの計画に必要な人的補充という面で遅れを取っているからだ。また計画に関係のない企業にとっても、人手部族は慢性化になりつつある。

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東日本大震災から見る復興支援の実態