混沌と化していた

緊急雇用対応事業という温床

被災地以外への流用という問題については、先に紹介したような本当に関係しているのかと無理くりともいえるような事業に予算が分配されていることもそうだが、そうした予算の中には雇用という名目で被災地のためにとは全く違う使い方で利用されている例もある。その総額として2,000億円もの大金の内、97%近くが全く関係のない事業によって浪費されている事実も明るみに出ている。残り3%のみ被災地へと利用されている、多いか少ないかなどといった問題ではないだろう。何故そのようなことになっているかのだが、ここで大雪りばぁねっともその一環として利用していた『東日本大震災に対応した雇用創出基金事業』を利用してのことだった。人によっては『震災等緊急雇用対応事業』といったほうが分かるかもしれない。

この事業の概要としては大雪りばぁねっとの例をもってして考えれば分かると思うが、市町村による直接雇用、もしくは企業またはNPO法人への委託による雇用を行うことによって、安定した事業として行っていく事を目的としている。雇用を名目とした事業となっていることから、分配される予算の半分は人件費として使用することを目的とし、さらに雇用期間は1年以内としている。あくまで被災者にとっても一時的な生活を立て直す機会として設けられていることと、企業などには限られた予算をもってして出来る事業を行って被災者の自立を促すことを目的としている。

大雪りばぁねっとの事を考えれば分かると思うが、まともな予算の使われ方を行っている事実は見られない。この例で挙げるなら毎日宴会騒ぎに加え、どう考えても不必要備品の購入、更に勤務実体のない社員に対して給与支払いを行っているなどと、いうまでもなくろくでもない使い方をしている。だが大雪りばぁねっとだけではなく、その他にもこの震災等緊急雇用対応事業として予算を分配した企業の使われ方もの真実も、見るに見かねるものとなっている。

雇用という文字すらない

無駄遣いが酷いとはまさにこのことだ、驚くほどの浪費を繰り返している施策を目の当たりにして言葉に出すのももはや苦しいが、一例としてあげてみると雇用として当てられた予算の使われ方としては、

  • ウミガメの保護観察
  • ご当地アイドルのイベント

といったことに利用されていたことも確認されている。ウミガメの生態も確かに海洋学を研究している人間にしてみれば重要だ、ご当地アイドルにしても地元を盛り上げることを名目にして活動すれば話は理路として形成されるかもしれないが、どちらも道理として考えれば雇用とはまるで関係のないものだ。こうした予算の使われ方を見ると震災当時に行なわれた様々な施策は、こうした無駄な使われ方をされるために集められたのかと愕然としてしまう。

いまだに被災者が少しでも今までの生活を取り戻すために必要な手助けとして利用されるべき雇用、独り立ちを促すことが出来る復興予算が無駄な使われ方をしている現実は継続している。むろん予算のすべてが無駄ではなく、実際に被災者の8割を雇用した事業もある。だがその他の事例を考えても被災者を採用するべきはずの雇用が、まるで関係のない人間の採用ばかりをしていることも在る。その一例として、なんと県そのものが被災者の雇用を蔑ろにした事業を展開していたことが判明した。

兵庫県の森林整備事業

問題となったのは兵庫県で、その大半が実は被災者に充てた復興予算であったにも関わらず、分配された予算の一部を被災者以外の雇用と森林事業に充てていたという事実が表沙汰になった。肝心の震災等緊急雇用とした被災者向けの雇用に関しては観光動向調査や独身男女の縁結び支援事業といったことに対して割かれた人件費について、採用した約2,700人近い人間の内、被災者はその中でも78人しか採用されていなかったという。また森林事業については直接被災地に影響するかどうかは把握していないにも関わらず利用されていたことも分かっているが、県としては間接的にでも被災地への支援へ繋がっていないとは決め付けられないと話している。

兵庫県と被災地との地形的な距離関係を考えてみると、どう見ても兵庫県の森林環境の整備で影響を受けるのは周辺地域だけであり、東北地方とそれなりに距離が離れている事を考えても伝播するまでに時間は掛かる。技術的な意味として考えても、森林における地盤強化も確かに話として通じるところはあるかもしれないが、被災者に直接的影響をもたらすかといわれるとそうではないだろう。

文科省事業の架空請求といった、役所がらみの問題

復興予算の申請には必ず、被災地に関連した事業を展開していることが条件だ。にも関わらずその実体がまるでない団体から復興予算の申請がされ、しかも審査を通して予算を支給するという事件も起きている。中には文科省事業が架空請求を行っていたことも判明し、問題はどこまでも混迷と化していく。

さらに環境省は調査をほとんどしないまま、被災地の瓦礫を受け入れたという団体、計14団体に対して340億円を交付する問題まで顕在したが、環境省の言い分として『検討すれば、結果として受け入れなくても交付金の返還は生じない』というどう考えてもおかしい通達をしていたが、この内の団体がその検討すら行われていないまま予算申請をパスしていたというのだから、ずさんという言葉で表すにはあまりに酷い実態を露呈している。

こうした事のために生活が我々国民が苦しい家計を形成しているのかと考えるとやりきれない。被災地のこともあるが、自分の生活がまともに運用して行くことができない人が多い中、復興予算の乱用は目に余る。だがそれ以上に被災地ではまた、違う意味で陰謀が渦巻いていることも把握しておくところだ。

心をひとつに!つながろう日本!

東日本大震災から見る復興支援の実態