介護保険のサービスを受けるためには、必ず最初に要介護認定を受けて、サービス区分の認定をしてもらう必要があります。
この記事では、要介護認定の流れや申請方法、認定基準についてまとめています。
要介護認定とは?
要介護認定とは、介護保険のいろいろなサービスを利用するために、どのようなサービスがどの程度必要かを判定するものです。
そうした受けられるサービスの範囲については、「要支援1」「要支援2」「要介護1~5」という区分に従って判定されます。
要介護認定というのはすぐに判定してもらえるものではないので、今必要かどうかに関わらず、申請の手順や必要なものを知っておきましょう。
さらに、どのような審査があるのかを知っておく必要があります。
それが分かっていないと、適切な情報を担当者に伝えられず認定がうけられないこともあるので、認定基準内容と判定までの流れをある程度確認しておくことが大切です。
要介護認定の申請や認定調査票、認定基準について
要介護認定の申請は、申請者が住む市区町村の担当窓口となります。
担当窓口の名称は市区町村ごとに違うので、公式サイトで調べるか、直接電話をして介護認定の申請窓口を聞いてみましょう。
申請は本人だけではなく家族でも可能です。
もし、家族が遠方に住んでいて直接申請に行けない場合は、地域包括支援センターもしくは居宅介護支援事業者が代行してくれます。代行が必要な場合は、まずそちらに問い合わせをしておきましょう。
申請に必要なのは、介護保険要介護認定申請書と介護保険被保険者証、主治医の意見書と印鑑です。
介護保険要介護(要支援)認定申請書は担当窓口でもらえますし、公式サイトからもダウンロードできます。
介護保険被保険者証は65歳以上になると給付されるので、申請者が40歳から64歳までの場合は、健康保険被保険者証を用意してください。
認定調査員の訪問と聞き取り
申し込みをすると、認定調査員と呼ばれる市区町村の担当者や委託を受けた人が訪問して、本人と家族の聞き取りを行います。
この時にチェックされるのは、身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応性です。
身体機能・起居動作では、麻痺、関節の拘縮、寝返りや視力など13の項目をチェックし、必要があれば実際に体を動かして動作を確認します。
生活機能は食事や排尿、衣服の着脱など日常生活での活動が行えるか、認知機能は意思の伝達や記憶に障害がないかを確認します。
精神・行動障害や社会生活への適応性は、集団生活をしても問題ないか、社会生活に適応できるかなどがチェックされます。
これらの聞き取り内容を元に、認定調査員は認定調査票を作成します。
この調査票と主治医の意見書が元になり、その後のコンピューター判定や2次判定が行われて行きます。
主治医の意見書について
主治医の意見書は、特に申請者側で用意する必要はありません。
病院名と主治医の氏名、連絡先を提出すると、担当者が意見書の作成を依頼してくれるのでムダな出費を省けます。
ただし、主治医の見解を知っておきたい場合には、意見書を書いてもらった方が妥当かもしれません。
意見書と申請者の状態があっていなかったりすると、介護認定も軽くなってしまう可能性があります。
もちろん状態にあっていればいいのですが、医師の見解と家族の見解に大きな相違があると大変ですから、心配な方は意見書を書いてもらいましょう。
ちなみに主治医がいないという方は、市区町村指定の医師に診察を受けてから、申請書に必要事項を記入して提出してください。
コンピュータ―による判定
認定調査に基づいて作成された調査票と主治医の意見書と合わせ、コンピューターに情報を入力し、介護にかかる基準時間を推計して算出します。
コンピューターで算定される「基準時間(要介護認定基準時間)」とは、介護の手間を時間で表したもので、区分に応じて以下のような基準が設けられて」います。
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この結果を、2次判定を行う介護認定審査会に提出し、審査が行われて最終的な要介護度が判定されるのです。
要介護度の区分ごとのイメージ
要介護度の区分を大体のイメージでとらえると以下のようになります。
要支援1
日常生活の基本的なことは、ほとんど自分で行うことができ、一部に介助が必要とされる状態です。適切な介護サービスを受けることによって、要介護状態になるのを予防できると考えられています。
要支援2
要支援1よりも、立ち上がりや歩行などの運動機能に若干の低下が見られ、介助が必要とされる状態です。要支援1と同じく適切な介護サービスを受ければ、要介護状態になるのを予防できると考えられています。
要介護1
自分の身の回りのことはほとんどできるものの、要支援2よりも運動機能や認知機能、思考力や理解力が低下し、部分的に介護が必要とされる状態です。
要介護2
要介護1よりも日常生活能力や理解力が低下し、食事や排せつなど身の回りのことについても介護が必要とされる状態です。
要介護3
食事や排せつなどが自分でできなくなり、ほぼ全面的に介護が必要な状態を指します。立ったり歩いたりできないことがあります。
要介護4
要介護3よりも動作能力が低下し、日常生活全般に介護が必要な状態です。
要介護5
要介護状態において、最も重度な状態です。一人で日常生活を送ることがほぼできず、食事や排せつのほか、着替え、寝返りなど、あらゆる場面で介護が必要とされます。意思の疎通も困難な状態です。
要介護度別のサービス内容
要介護1から要介護5までの段階に応じて、以下のような介護サービスの提供が想定されています。
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要介護1から要介護5までの段階に応じて、以下のような介護サービスの提供が想定されています。
ただし介護度は自分が希望する度合いとは異なることがあります。要介護度が決定した場合、基本的にそれより上の介護度を要求することはできません。
そのため正しい情報をしっかり伝えること、医師にも事前に相談をすることが認定を受ける上で必要な準備となります。