相続 戸籍謄本 除籍 原戸籍

相続関係の確定に必要な戸籍謄本・除籍・原戸籍とは?その取得や見方について

相続人を全てを調べ、相続関係を確定するためには、市町村役場で取得できる戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍含む)が必要となります。

 

またそれらは、遺産相続の手続きの際にも提出する必要があります。

 

この記事では、相続関係を確定するための戸籍謄本の取得方法や見方についてまとめました。

 

 

まずは被相続人の戸籍謄本を集める

被相続人の家系

 

まず被相続人(死亡した人)の出生から死亡までの戸籍の情報が必要になります。

 

また遺言書作成などの相続の対策として戸籍の情報が必要な場合は、ご本人は存命ですから、出生から現在までの戸籍の情報が必要です。(この場合は以後「被相続人」を「被相続人となる予定の人」と置き換えて考えてください)

 

ところで、多くの場合に一人の人の出生から死亡までの情報が1通の戸籍謄本の中ですべて記載されていることはまれです。

 

生まれた後も婚姻などにより新しい戸籍に入ったり、法律の改正により戸籍の様式が変わったりなどで全ての戸籍の情報を集めるためには異なる戸籍謄本を4通も5通も集めなければならないことも少なくありません。

 

しかも戸籍謄本の内容を読み取るにはある程度の専門知識が必要であり、関係する戸籍謄本を全部集めるとなるとたやすいことではありません。

 

ここでは難しいことを考えずに、窓口で一言伝えておくだけで必要な戸籍謄本を集める方法についてお伝えしましょう。

 

ところで戸籍謄本は本籍地のある市町村役場でしか取得することができません。もし請求先の役場が遠いところにあるならば、郵送で請求することもできます。その方法については後ほどご説明します。

 

さて窓口では戸籍謄本の請求用紙に記入して請求しますが、それを渡す際に受付の人に「相続手続で使用するので故人の戸籍でこの役場に存在するものをすべて請求したい」と一言伝えておきましょう。

 

そのように言っておくと、役場のほうで戸籍を調べてその役場に存在するすべての戸籍謄を出してもらえることでしょう。

 

次に戸籍謄本を受け取ったならば、出生からの全ての戸籍謄本が揃っているかどうかを担当者に確認します。

 

もし不足しているものがあれば、次にどこの役場で請求すればよいのかまで尋ねておきます。後は次の請求先の役場で同じことを繰り返せば被相続人の戸籍謄本は確実に揃えることができます。

 

相続のための戸籍謄本を請求するのに必要なもの

・請求者の戸籍謄本(自分が相続人であることを証明するため)
・身分証明書(運転免許証など)
・手数料(1通450円、除籍・原戸籍は1通750円)
・認印

 

一方、遠方の役場に郵送で請求する場合は通常以下のようなものを用意する必要があります。

 

戸籍謄本を郵送で請求するのに必要なもの

・被相続人の本籍地、戸籍の筆頭者、被相続人の氏名、生年月日、請求者の住所氏名、続柄などを記載し押印した戸籍謄本請求書(任意の用紙で可)
・請求者の戸籍謄本(自分が相続人であることを証明するため)
・請求者の身分証明書(運転免許証など)のコピー
・手数料分の定額小為替(1通450円、または750円)(郵便局で購入)
・切手を貼った返信用封筒

 

なお請求方法は役場によって若干異なることもありますので、電話帳やインターネットで役場の電話番号を調べておき、事前に電話で必要なものを確認してから請求したほうが無難でしょう。

 

また出向いて請求する場合と同じように、請求先の役場にあるすべての戸籍謄本を出してもらえるよう「相続手続に使用するので出生からの戸籍謄本を送ってほしい。」とメモを書いて送ると良いでしょう。

 

また郵送で請求する場合に、請求先の役場に必要な戸籍謄本が何通あるのか分からない場合があります。このような時は何度もやり取りしなく済むよう手数料分の定額小為替を多めに(3通から4通分)同封して送っておくと一回で済みます。(もちろん余った定額小為替は返してもらえます。)

 

次に相続人すべての戸籍謄本を集める

相続人の調査

 

被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本が揃ったら、次に相続人全員の現在の戸籍謄本が必要となります。

 

相続人の現在の戸籍謄本については戸籍を別にしている場合には代わりに取得するということができませんので、相続人各自に取得してもらい届けてもらう必要があります。

 

また行政書士などの専門家に依頼して、職務権限で戸籍を取得してもらうことも可能ですが、この場合には戸籍の取得のみの依頼はできず、遺産分割協議書や遺言書などの文書作成とセットで依頼しなくてはなりません。

 

戸籍謄本の見方は?

相続人が誰なのか疑いようのないほどはっきり分かっているのであればよいですが、時には戸籍謄本の情報を正確に読み取らなければ相続人がはっきりしないという場合もあります。

 

そのような時には、戸籍謄本の見方についてもある程度勉強する必要があるかもしれません。

 

そこで、ここでは戸籍謄本の見方について少し詳しく説明しておきます。

 

通常は戸籍謄本というと現在の戸籍の謄本を指しますが、相続手続においてはそれに加えて除籍、改製原戸籍(はらこせき)と呼ばれる以前の戸籍の情報も必要になってきます。

 

除籍とは?

戸籍簿に記載される人が死亡・婚姻・離婚・養子縁組などによってすべていなくなったため除籍簿に綴られている戸籍のこと。また転籍した場合も以前の戸籍は除籍となります。

 

改製原戸籍とは?

戸籍法の改正により戸籍簿の様式が変わり、新しい様式に作り変えられたため削除された元の戸籍のこと。

 

これら除籍や改製原戸籍の中にはかなり昔に作られたものもあり、古い字が使われていると読み取るのに大変苦労することもあります。

 

しかし、戸籍謄本に書かれていることすべてを読み取る必要はありません。被相続人との続柄に注目していき、誰が相続人になるのかだけをはっきりさせればいいわけです。

 

そのためには戸籍謄本のどの部分に必要な情報が書かれているのかを知らなければなりません。

 

戸籍謄本は作られた年代によって表示方法が異なっていますので、現在取得できる5種類の戸籍謄本の特徴と構成及び見方についておさえておきましょう。

 

明治19年式戸籍

戸籍謄本の例1

 

特徴:

・明治19年10月16日から明治31年7月15日までの間に作られた戸籍。
・家単位に戸主を中心として戸主の家族だけでなく、戸主の親兄弟の家族も含めてひとつの戸籍に記載している。
・本籍の表示は地番制度でなされている。
・戸籍の一枚目の表面には4人、裏面には5人、二枚目以降は表裏とも5人が記載されている。

 

見方:

●この戸籍はいつからいつまでのものなのか?
・戸主の事項欄には、この戸籍の作られた原因と年月日が記載されています。例えば、前戸主の死亡による家督相続によって戸籍が作られたのであれば、「明治○年○月○日相続」のように記載されています。
・一方、この戸籍の期間の終わりも、戸主の事項欄を見れば分かります。例えば、「明治○年○月○日午前○時本籍に於いて死亡同居者誰々届出同月○日受附 明治○年○月○日誰々の家督相続届出ありたるに因り本戸籍を抹消す」のように記載されています。家督相続の届け出のあった日付がこの戸籍の期間の終わりとなります。尚、戸籍によっては家督相続による抹消の記載を戸主の事項欄ではなく、家督相続したものの事項欄に記載してある場合もあります。

 

●戸籍に記載された人の関係はどこを見れば分かるか?
戸主との続柄欄を見れば、戸籍に記載された人全員の関係が把握できます。

 

●戸籍に記載された人が結婚したり、死亡したり、その他身分に変化のあったことはどこで分かるか?
それぞれの人の事項欄を見れば分かります。例えば、結婚して除籍されたのであれば「明治○年○月○日○○県○○郡○○村誰々に嫁す」などと記載されています。

 

明治31年式戸籍

戸籍謄本の例2

 

特徴:

・明治31年7月16日から大正3年12月31日までの間に作られた戸籍。
・戸籍の一枚目の表面に「戸主と為りたる原因及び年月日欄」が設けられる。
・戸籍の一枚目の表面には2人、裏面には3人、二枚目以降は表裏とも3人が記載されている。

 

見方:

●この戸籍はいつからいつまでのものなのか?
・表面の「戸主と為りたる原因及び年月日」欄には、この戸籍の作られた原因と年月日が記載されています。例えば「父○○の死亡に因り明治○年○月○日戸主と為る同月○日届出同月○日受附」のように記載されています。届出の受付がなされた日付がこの戸籍の期間の始まりとなります。
・一方、この戸籍の期間の終わりは戸主の事項欄を見れば分かります。例えば、「昭和○年○月○日午前○時本籍に於いて死亡同居者誰々届出同月○日受附 昭和○年○月○日誰々の家督相続届出ありたるに因り本戸籍を抹消す」のように記載されています。

 

●戸籍に記載された人の関係はどこを見れば分かるか?
戸主との続柄欄を見れば、戸籍に記載された人全員の関係が把握できます。

 

●戸籍に記載された人が結婚したり、死亡したり、その他身分に変化のあったことはどこで分かるか?
それぞれの人の事項欄を見れば分かります。例えば結婚して除籍されたのであれば、「○○県○○郡○○村大字○○●●番地誰々と婚姻届出大正○年○○月○日○○村長受附同月○○日送付除籍」のように記載されています。

 

大正4年式戸籍

戸籍謄本の例3

 

特徴:

・大正4年4月1日から昭和22年12月31日までの間に作られた戸籍。
・「戸主と為りたる原因及び年月日欄」が廃止され、その事項を戸主の事項欄に記載
・戸籍の一枚目の表面には1人、裏面には2人、二枚目以降は表裏とも2人が記載されている。

 

見方:

●この戸籍はいつからいつまでのものなのか?
・戸主の事項欄には、この戸籍の作られた原因と年月日が記載されています。例えば、家単位の戸籍から夫婦親子単位の戸籍に変わったために新たに戸籍が作られたのであれば、「○○郡○○村大字○○●●番地戸主誰々叔父分家届出昭和○○年○月○日受附」のように記載されています。届出の受付があった日がこの戸籍の期間の始まりとなります。
・一方、この戸籍の期間の終わりも、戸主の事項欄を見れば分かります。例えば、戸籍制度の改正によって戸籍が改製されたのであれば「昭和32年法務省令第二十七号により昭和○○年○○月○日本戸籍改製 昭和32年法務省令第二十七号により昭和○○年○○月○日あらたに戸籍を編製したため本戸籍削除」のように記載されています。この戸籍の削除された日付が戸籍の期間の終わりとなります。

 

●戸籍に記載された人の関係はどこを見れば分かるか?
戸主との続柄欄を見れば、戸籍に記載された人全員の関係が把握できます。

 

●戸籍に記載された人が結婚したり、死亡したり、その他身分に変化のあったことはどこで分かるか?
それぞれの人の事項欄を見れば分かります。例えば、分家により除籍されたのであれば「○○郡○○村大字○○●●番地に分家届出昭和○○年○○月○日受附除籍」のように記載されています。

 

昭和23年式戸籍

戸籍謄本の例4

 

特徴:

・明治23年1月1日から現在までに作られた戸籍。
・家の単位から夫婦親子単位に変更された。
・本籍の表示は地番制度でなされている。
・戸籍の一枚目の表面には1人、裏面には2人、二枚目以降は表裏とも2人が記載されている。

 

見方:

●この戸籍はいつからいつまでのものなのか?
・戸籍事項欄にはこの戸籍の作られた年月日が記載されています。例えば婚姻によって新たに作られたのであれば「婚姻の届出により昭和○年○月○日夫婦により本戸籍編製」のように記載されています。
・一方、この戸籍の期間の終わりも戸籍事項欄を見れば分かります。例えば、除籍謄本であれば「全員除籍により昭和○年○月○日削除」のように記載されています。削除の日付がこの戸籍の 期間の終わりということになります。

 

●戸籍に記載された人の関係はどこを見れば分かるか?
配偶者欄及び父母との続柄欄をみれば、戸籍に記載された人全員の関係が把握できます。

 

●戸籍に記載された人が結婚したり、死亡したり、その他身分に変化のあったことはどこで分かるか?
それぞれの人の身分事項欄を見れば分かります。例えば、婚姻によって除籍されたのであれば、「昭和○年○月○日誰々と婚姻届出同月○日○○市長から送付同市○○町○○番地に夫の氏の新戸籍編成につき除籍」のように記載されています。

 

平成6年式戸籍(現行戸籍)

戸籍謄本の例5

 

特徴:

・コンピューター化されている市町村役場での現行戸籍です。コンピューター化されていない市町村役場では昭和23年式戸籍が現行戸籍となっています
・横書きになり、戸籍事項や身分事項に関する項目が細かく区分されて表示されるので分かりやすくなっています。

 

見方:

●この戸籍はいつからいつまでのものなのか?
・戸籍事項欄にはこの戸籍の作られた年月日が記載されています。例えば戸籍が改製されたのであれば[改製日][改製事由]が記載されていますので[改製日]がこの戸籍の期間の始まりとなります。
・一方、この戸籍の期間の終わりも戸籍事項欄を見れば分かります。例えば、除籍謄本であれば[削除日]が記載されていますのでその日付が戸籍の期間の終わりとなります。

 

●戸籍に記載された人の関係はどこを見れば分かるか?
「戸籍に記載されている者」欄の配偶者区分または続柄を見れば戸籍に記載された人全員の関係が把握できます。

 

●戸籍に記載された人が結婚したり、死亡したり、その他身分に変化のあったことはどこで分かるか?
それぞれの人の身分事項を見れば分かります。例えば、死亡によって除籍されたのであれば、死亡の項目が追加され、[死亡日][死亡時分][死亡地][届出日][届出人]の記載がされます。また「戸籍に記載されている者」という項目の下に「除籍」と表示されます。

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