認知症の原因には何十もの種類があるとされていますが、その9割は4つの種類で占められています。
その4つの種類の認知症は、4大認知症とも言われています。
この記事では、4大認知症の割合や特徴・症状についてまとめました。
目次
認知症の種類と割合は?4大認知症とは?
認知症の約9割を占める種類の4つは以下の通りです。
- アルツハイマー型認知症
- 前頭側頭型認知症
- レビー小体型認知症
- 脳血管性認知症
認知症の種類別割合の最新情報をグラフで確認
認知症の種類別の割合に関しては、厚生労働省の厚生労働科学研究データベースで公開されている「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(平成25年3月)という報告書が、信頼できるデータとしては最新のものと言えそうです。
この報告書では、種類別の割合が以下のように報告されています。
しかし、このデータは最新と言っても、平成25年(2013年)時点のものであり、その後も原因疾患の割合は変化していると考えられます。
特に、アルツハイマー型認知症は急増していますから、本報告書の時点よりさらに割合的に増加していると考えられます。
認知症の種類それぞれの特徴や違いについて
4大認知症に関して、それぞれの特徴と違いについてみていきましょう。
アルツハイマー型認知症とは?
認知症全体の7割近くを占めるのが、アルツハイマー型認知症です。
この認知症では、脳の神経細胞が時間と共に減少していき、脳が委縮することによって、様々な症状がみられます。
この病気による直接的な症状(中核症状)としては、記憶障害・判断力の低下・時間や場所が認識できない・会話の理解力低下などが挙げられます。
前頭側頭型認知症(ピック病)とは?
脳の前頭葉と側頭葉の神経細胞が徐々に破壊されていくことにより症状が現れる認知症で、原因がはっきりとは判明していません。
性格の変化や行動異常が目立って現れる特徴がありますが、物忘れなどはあまりみられないため気づかれにくい特徴があります。
比較的若年層で発症し、初期の症状としては、他人への配慮がないとか、周りを考えずに自己中心的に行動するなど性格面での変化が起きます。
レビー小体型認知症とは?
レビー小体と呼ばれている異常なたんぱく質の塊が脳の神経細胞の中に生じ、それが大脳に広がることで認知症の症状として現れます。
患者によって症状の現われ方が大きく異なる特徴がありますが、奇声を上げるなど異常な言動が見られたり、実際にはいない人が見える「幻視」などが起きやすくなります。
脳血管性認知症とは?
この認知症は、脳梗塞など脳血管の疾患に伴って起きるもので、脳の神経細胞がダメージを受けたことで、認知機能の低下や麻痺など神経症状も現れることがあります。
アルツハイマー型認知症の次に割合として多く、全体の約2割を占めます。
症状の現れ方に変動があることも多く、急に症状が悪化したかと思うと、また落ち着いた状態に戻ることを繰り返したりすることがあります。
主な症状としては、他の認知症と同じく、記憶障害や認知機能の障害、さらには手足の麻痺や歩行障害、感情失禁などが早期からみられることも多くあります。