知っておきたいしくみ

退職願は何日前から?出し方や出すタイミングの基礎知識

退職願を出すときも常識やマナーが問われます。退職願を出すときや出し方を間違えると、退職を先延ばしにされたり、退職願を断られたりすることも。
ここで、基本的な知識を身につけて、スムーズに退職できるようにしましょう。

退職願は1か月前に提出する

法律上では、退職願は退職する日の2週間前に出せば問題ないとされています。しかし、なにより守らなくてはいけないのは就業規則。

就業規則では、「1~2か月前に退職願を提出する」と記されていることが多いです。会社によってかわるので、退職願を出す時期は、就業規則を確認しましょう。

退職願は白い封筒、白い便箋をつかう

退職願用の書類はありません。コンビニにも売っているような白い封筒と白い縦書きの便箋を用意します。

「退職願」と最初に、「一身上の都合により、○○年〇月〇日をもって退職致したくお願い申し上げます。」と書きます。
そして、名刺にある自分の所属や名前と、つぎに会社の正式名称と代表取締役の名前「様」を記入して完了です。白い封筒へ曲がらないように入れましょう。

直属の上司に提出する

退職願には、宛先に代表取締役の名前を書きますが、退職願を提出する先は直属の上司になります。社長や人事であったり、管理職の誰かに退職願をわたしてしまうと、上司のあなたにたいする印象が悪くなってしまうでしょう。または上司が、部下の管理能力を問われることにもなりかねます。
申し訳ない気持ちや気まずさをより感じる相手ですが、だからこそ、一番に提出するようにしてください。

タイミングは忙しくないとき

昼間の時間帯や上司が忙しそうにしているときに提出しようとすると、「今は忙しいから」「あとで話そう」と断られ、先延ばしにされて、辞める日が遠のくおそれがあります。

会社や上司に迷惑がかかることも否めません。社員ひとりの退職は、会社や上司にとって非常に重いことです。退職願を出されてすぐ受理することはできませんし、話し合いの場を設けたいとも思います。

どうしてやめるのか、解決できることはないか、仕事がまわるのかどうか。考えることがとても多いので、忙しくて余裕がないときにいわれると多大なストレスをかけてしまうことでしょう。

おすすめは、始業してすぐか、勤務が終わる時間帯です。人が少なくなってきて、まわりの目がないときがベストです。
人事考課など話し合いの時間があるなら、その際に提出しましょう。

退職願は手書きで書くべき?パソコンでも大丈夫?

退職願を手書きで出すときは、キレイに字を書こうと気をつけたり、間違えるとすべて書きなおしたりと手間がかかるものです。
字が汚くて自信がなかったり、忙しいとき、できればパソコンで入力して、さっと退職願を終わらせたいですよね。
最近では、退職願用のテンプレートがネット上に多くアップされるようになりました。そのような今でも、手書きで書くことが当然とされているのでしょうか。

退職願は手書き・パソコンという決まりはない

退職願は手書き、パソコンどちらで書くべきかという決まりはありません。
ネット上に、退職願用のテンプレートがたくさん出ていることもあり、ビジネスマナーとしても問題はないとされています。
法律上では、「退職の申し入れ」としかふれられていません。なにより「あなたが退職願を会社へ出したこと」が重要なので、形式はこだわらなくても大丈夫です。
ただ、パソコンで書くときは「本人が退職願を書いた」と証明するため、捺印をして、署名は手書きでする必要があるでしょう。

就業規則を確認する

決まりはありませんが、会社に提出するものは、会社の考え方に合わせなければいけませんね。
就業規則に、退職願が手書きかパソコンでもよいかが記載されていることがあります。
手書きだと指定されているなら、パソコンで作成しても受理されないかもしれません。
また、パソコンでよいとされている場合は、会社独自の様式であったり、テンプレートの指定がされていることも。
一度、就業規則に目を通してみましょう。

迷ったときは手書きにする

かつてはパソコンがなく、手書きがほとんどであったことから、「退職願は手書きが常識」とされていました。会社の上司たちには、この考えが染みついている人も多いので、手書きのほうが無難ではあります。

さらに、手書きだと、字をキレイに書いたり、何度も書き直したりと時間や手間がかかっていることから、丁寧さや誠実さが伝わるといわれています。
パソコンのように簡単に入力できて、文字からなにも情報が伝わってこないものだと、会社への感謝や敬意がないのだと、冷たい印象をもたれてしまうおそれがあります。
就業規則に書いておらず、どちらか迷ったときは手書きにしましょう。
会社への感謝や敬意があり、円満退職を願うなら、なおさら手書きをおすすめします。

退職願の印鑑は必要?シャチハタでも大丈夫?

退職願に押す印鑑は、「シャチハタでも問題ないのでは?」と思うことも多いでしょう。
たしかに、退職願は会社のなかでつかわれますし、退職願それ自体、それほど重要な書類だと思えません。そもそも、印鑑は必要なのだろうかと疑問をもつ人もいるかもしれませんね。そこで、印鑑はなぜ必要なのか、シャチハタは大丈夫なのかをご説明します。

退職願は労働契約にかかわる重要な書類

退職願はなくても問題ないものですし、あくまで「願い」、本人の希望を伝えるものです。
また、印鑑が押されていないからといって、提出された退職願を無効にすることはできません。
けれど、退職願は労働契約にかかわる書類であり、重要度が高いものになります。
「本人が書いたもので間違いない」と証明するために、印鑑は押さなければいけません。

シャチハタがだめな理由

「重要な書類にシャチハタは不可」という慣習があり、シャチハタを押して提出すると、退職願を軽く見ているのではないかと心証を悪くしてしまいます。
また、シャチハタは、朱肉よりもインクが消えやすく、長期保存に向きません。
力の入れ具合や劣化によって、はんこの形が変わることもあるので、「本人が押したもの」と証明しづらいという特徴もあります。さらに、誰でも手に入るので、偽造が簡単です。
「本人の証明」が求められる退職願には、シャチハタはつかえないでしょう。

実印・拇印は押さない

では、実印や拇印を押せば、好印象で、誠意が伝わるのでしょうか。
シャチハタより伝わりますが、それよりも危険がおよぶ可能性があります。
実印は法的な効力がある、とても重要な印鑑です。会社の誰に見られているかわからず、どのように管理されているかわからない退職願には、つかわないほうがよいでしょう。

親指に朱肉をつけて押す拇印は、「印鑑がないけど、すぐに押さなければいけない」と緊急のときにだけ押します。
退職願は前もって準備するものです。拇印を押して提出すると、準備がしっかりできていなかったのか、必要にせまられて押したのかと、相手に悪い印象をあたえてしまうのでご注意ください。

退職願には認印がよい

退職願は認印が最もよいでしょう。個人情報の流出といったトラブルをふせぎ、相手に悪い印象もあたえません。
認印を持っていないなら、買いにいきましょう。ホームセンターや、今では100円ショップにも売っています。
退職願のほかに、退職届、退職したあとのさまざまな書類に、印鑑を押さなければいけないので、先にそろえておくと便利です。

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