遺産相続の相談を誰にすればよいのか悩まれている方に、目的や状況に応じた相談先についてまとめました。
目次
相続のことを個別に相談することの必要性
遺産相続にまつわることは本当に分かりにくいですよね。
相続のための備えをしておきたいけど、何から始めたらいいのだろう?
親の死後の遺産分割をしないといけないけど、どうすればいいの?
他にも、税金のこと、手続きのこと・・・
どれも家族や自分の生活に大きな影響を与える問題だけに間違いのないように進めたいものですね。
書店・図書館やインターネットでも一般情報は入手できますが、多くの場合にピッタリと当てはまる解決策はなかなか見つからないものです。
なぜなら遺産相続に関しては、各事案によって関係してくる問題が様々に異なり、複雑に絡み合っているためです。
例えば、相続人同士の人間関係が良好なのかどうか、財産に不動産があるなら売却が可能なのかなど、一つの要素が変わるだけでも、方針が大きく変わってきます。
ですから、本などの一般情報だけではとても全てをカバーすることはできません。
そこで、一度は専門家に個別相談をしておくことが大切になってきます。
でも、実際に相談しようと思うと、これも大変です。
「誰にどのように相談したらいいの?」と悩まれる方がとても多いのです。
上手な遺産相続の相談方法の3つのポイント
遺産相続の相談で失敗しないための3つのポイントをまとめましたので、ご参考にしてください。
まず現状を整理すること
相続では、相続人のそれぞれの状況、遺産の内容など確認しておくべき情報がたくさんあります。また、その情報が正確でなければ正しい判断は下せません。
それで財産に関係する資料などはファイルに綴じてまとめておいたり、これまでの経過をメモにまとめるなど情報を整理しておくと相談もスムーズに進みます。
希望をはっきりさせること
相談で失敗しやすいのは、自分が望むことを明確にできていない場合です。遺産相続では、財産の分け方にしても、その後の権利義務についても、何を希望するかによって進め方は大きく異なってきます。
ですから、相談する前に自分自身の希望をはっきりさせておくことがとても大切です。
早めに相談すること
遺産相続では時間が立つほどに問題がこじれてしまい、解決が難しくなることが多いようです。特に遺産分けの話し合いについては、幾人もの相続人が関係してきますから、早いうちに正しい進め方で対処していかないと、不平や不満、不信感が募っていき、争いへと発展することがあります。そして解決困難になってから相談しても、もはやできることが限られているという状況になってしまいます。
中でも争いにつながりやすいのは以下のような状況です。
- 法定相続人の人数が多い
- もともと相続人同士の仲が悪い
- 行方不明の相続人がいる
- 遺産の総額や種類が多い
- 相続人の中に被相続人と同居してきた人がいる
- 生前に多額の贈与を受けた相続人がいる
- 相続人に後妻が含まれていたり、前妻の子が含まれている
- 被相続人やその配偶者への介護の問題が関係している
- 事業継承の問題が関係している
このような状況では揉めないだろうと過信したり、自己判断で進めるのではなく、事前に弁護士等に相談しておいたほうがよいでしょう。
相続対策を考える際にも早めに相談しておくことが大切になります。
というのも、相続対策はやろうと思ってから完了するまでに長い時間を要するためです。
遺言書を作成するにしても、不動産の贈与や売却を考えるにしても、数か月から数年かけて進めていくというケースがほとんどです。
せっかくの相続対策が中途半端に終わることのないよう、元気なうちに相談して十分な余裕をもって備えておくことが必要なのです。
相続のこと誰に相談する?
誰に相談するかというのは、本当に悩ましい問題です。場合によっては財産や家族の内密なことも話さなくてはなりませんから、知識と経験があるのはもちろんのこと、何より誠実で信頼できる専門家を探したいですね。
遺産相続に関する相談先としては、以下のようなところが考えられます。
- 弁護士事務所
- 税理士事務所
- 司法書士や行政書士などの専門家
- 自治体の定期相談
- 法テラス
- 各種相続手続き支援団体
幾つも選択肢があるので迷いますね。
医師にも外科・内科・整形外科などそれぞれ専門がありますが、相続に関しても相談の目的によって、それぞれふさわしい専門家は異なります。そのことをよく理解せずに相談してしまうと、金銭的にも大きな違いが生じたり、トラブルの元となります。
ですから、まずは各相談先の特徴について大まかに理解し、上手な使い分けをしましょう。
遺産相続に関する相談先の特徴
弁護士事務所
相続の事前対策、相続が始まってからの処理など全般的に対応できます。特に相続人間で争いが生じる可能性がある場合にはアドバイザーや代理人として心強い存在です。
税理士事務所
相続税対策や相続税申告に関することなら相談先としては税理士が最もふさわしいでしょう。ただし、税理士の中で相続を専門としている事務所は少数です。よく選ばないと大きな損をすることがあります。
司法書士・行政書士等
主に遺産分割の手続きや遺言書作成の手続きなど書類作成や手続き面でサポートする専門家です。争いがある場合やトラブルが起きそうな場合の相談先としては不向きですが、手続きのみを依頼したい場合にはとても便利で助かります。
自治体の定期相談
自治体がサービスとして行っている遺産相続の相談会で、当番の弁護士や司法書士などが相談にのってくれます。無料で利用できるのは大きなメリットですが、予約制のごく短時間の相談になるので、ごく一般的で簡単な内容のものに限られてしまいます。
法テラス
自治体の相談よりは深い相談ができますが、家計の状況によって相談料がかかったり、北海道以外は各都府県に1ヵ所しかないので遠方に出向かないといけない場合があります。相談は弁護士が対応しますから、弁護士との相性を確かめられるというメリットはあります。ただし、比較的新人の弁護士や仕事の少ない弁護士が当番になっている場合が多いようです。
各種相続手続き支援団体
法律専門職とは全く関係のない団体が遺産相続に関する支援を行なっている場合があります。このような場合には、これらの団体は専門家へのパイプ役、コーディネーターとして動いているようです。ですから、「どこに相談すればよいか」ということの相談にのってくれます
より理想的な相談先を見つけるには?
医師にも相性のいい先生とそうでない先生がいるように、遺産相続の専門家にもいろんなタイプがいます。
経験豊富なベテランもいれば、仕事の早い若手もいます。男性だけでなく女性の弁護士もいます。土日や夜間に対応してくれる事務所もあれば、時間外の対応が難しいところもあります。
そのような中で、自分の希望する条件で相談先を見つけるのはなかなか難しいものです。
ところが、最近話題になっている画期的なサービスがあります。
それが日本法規情報の「相続相談の無料案内サービス」です。
このサービスでは、登録された全国3,000人以上の相続の専門家の中から、相談内容や住んでいる地域、相談日時や時間、女性か男性か、ベテランか若手か、など希望条件をもとに専門家を無料で案内してもらえます。
希望条件に近い3~5つの事務所を提案してもらえますから、その中で最も良さそうだと思うところを選んで相談することができます。もちろん相談のみでOKで、強引に依頼を勧められることはありません。
自分で一から探そうと思うとなかなか大変ですが、このようなサービスを上手に利用すればかなり楽ですし、理想的な相談先に出会える確率も高くなるのではないでしょうか?