復興はどの程度進んでいるのか

あれから3年と6ヶ月が経過

2011年3月11日、誰もがこの日の出来事を忘れることは出来ないだろう。14時46分18秒、この瞬間宮城県沖で生じた震源によって東日本を中心とした大規模な地震、過去において関東大震災、阪神淡路大震災に勝るとも劣らない規模と被害をもたらすことになった『東日本大震災』、この出来事により日本という国がこれまでの体制を改めるようになった、また改変されるようになった瞬間でもある。被災地の惨状はいうまでもなく、また被災地以外の地域でも甚大な影響を与え、東京都心を始めとした東日本に位置しているライフラインは軒並み活動停止することとなった。電車や電気といった人間の生活において必要不可欠なものとなっているこれらの支給が途切れたことで、被災地のみならず西日本を除いた地域に影響を拡散する。

この時筆者も別の仕事をしている最中だった、今でも考えると恐ろしいのだが建物の地下にいたため、もしもという可能性もあった。というのも、その後ビルを運営している側からの連絡で、建物の支柱にヒビが入った可能性があるという報告を聞いたからこそ、戦慄を覚える。すぐさま私物を持って全ての事業を停止して帰宅するように、言われたためその後は何とか歩いて帰宅することになったという思い出がある。あの時ほど恐怖に打ち震えたことはないだろう、だがこの時は関東圏にいたのだからむしろこの程度で済んだという風に認識すべきところだ。被災地と比べられるはずもなく、全くもって問題にならないレベルである。

その後政府は震災の爪痕を修復するためにありとあらゆる手を尽くすために行動を起こした、今でいうところの復興支援事業である。ではこの復興支援が現在までにどれほど進行しているのかという点について、詳しい数字を知っている人がどれだけいるだろうか。最近のメディアではもちろん復興支援に関してのニュースは『有れば』放送している、もちろん正当に報道されるべきものはされているが、大半のニュースなどを見ると復興支援の情報が一日だけでも発表されない、という事態が起きている。当然ながらあの出来事を風化させていけない事象ではある、しかしメディアとしてそればかりの情報を追随するだけではダメだ、などといった諸問題が絡み合っている。だからこそ実際に、復興支援と名の付くものがどれ程進行しているのか把握していない人は多いはずだ。では災害復興を担当している復興庁発表では、どの程度進行しているのかを少し読み解いてみよう。

瓦礫処理の状況

主に際涯の中心となった東北を始めとした13道県が対象として2011年3月から2014年3月までの3年間までに合わせて災害によって発生した『災害廃棄物』、つまり瓦礫ということになるのだがこれらは約2千万トンもの量が生じた。また津波堆積物約1千万トンも発生し、この数字が意味するところはそれまで存在していた町が全て飲み込まれた結果にも繋がる。当時、テレビから流れる津波が陸を押し上げるように上陸し、あらゆるものをその濁流で飲み込んでいく様を見た際、現実を認識するまでに時間が掛かった。あの場にいなかったからこそ分からない、そしてもしもいたらと考えただけで分かるのは、もはや絶対的な死を自覚することもないまま自分というものがこの世から消え去るだろうというだけは把握する。そうして生まれた瓦礫を始めとした災害廃棄物の処理状況としてはどの程度まで進行したのかは、次の通りとなっている。

平成26年3月末現在 推計量 撤去済み量 撤去率 処理・処分量 処理・処分割合
災害廃棄物 1,707万t 1,686万t 99% 1,662万t 97%
津波堆積物 1,095万t 1,055万t 96% 1,004万t 92%

震災時に生じた瓦礫の撤去については9割以上が既に片付けられているという状況になっている。現地の様子を見ても確かに以前と比べればそれほど酷い状況が継続し手いるわけではない事が誰でもうかがい知れるだろう。しかしこの段階はあくまで基礎を組み立てるまでに必要な最低限、行動しなければならないことだ。この瓦礫の撤去作業はまだスタート地点に立っていない、準備期間なものだ。数字だけで復興が進んでいるとは判断できない、かつてその場所に住んでいた人々が利用していたライフラインが整わなければ、復興はそのプログラムを進行しているとは到底思うことは出来ない。では社会的基盤となる公共インフラの復興状況はどのようになっているのか、それも気になるところだ。

公共インフラの復興状況

公共インフラと聞いてまず何を連想するだろうか、筆者的には公共インフラと言えばもはや現代という時代に捉われるのではなく、人が生きていくために絶対的に必要な『飲料水の確保』ということが一番念頭にくる。確かに電気やガスといったものも必要にはなるが、それで本当に人らしい生活が出来なくなるわけではない。灯りを必要とするなら火を起こせばいくらでも代用することが出来る。取扱に気をつけなければならないという点はあるが、火を用意する事が出来れば電気とガスはそこまで必要というほどではないだろう。何をおいても水だが、それ以外のインフラとしては生活に必要な機関の設立というのも来る。例としては病院や道路、港湾、これらの交通網を確保しつつ人が住むために必要な住宅も最低限設営しなければ話にならない。原始的な生活をすることも厭わないとするなら野宿もかまわないが、その生活も長く続けていけるほど現代人はそこまで逞しくはない。

さてそんな公共インフラの復旧はどの程度進んでいるのか、ここでも復興庁が発表している調査結果を参考にして分析してみよう。

  平成24年12月末進捗状況 平成26年6月末進捗状況
水道施設 46% 94%
下水道施設 89% 99%
住宅 81% 11%
医療施設 90% 93%
道路 88% 39%
鉄道 88% 91%

今回はあくまで抜粋して紹介するが、数字を見てこれほど進んでいるのかと感心する人もいれば、まだこれだけなのかと憤りを感じる人もいるのではないだろうか。両者の感情は共に間違っていないだろう、筆者としては実を言うと後者のまだこれくらいしか進行していないのかという思いはあるが、アレだけの災害によってもたらされた被害の大きさがそれほどだということを、この数字が物語っている。

本来水道関連の施設は既に全ての工事が完了していなければならないはずだが、それでも100%の数字に届いていない。大半の地域で水道、そして医療施設といった人々の健康状況に影響を及ぼすほど深刻な状況からは逸脱していると分析できるが、やはり褒められたモノではないだろう。復興は順調に進んでいると囁く政府の甘言がいかに現実から注意を反らそうとしているのか、それがよく分かる数字でもある。まだ3年しかたっていないのだからという風に述べることも出来る、だがもう3年も経っているともいえるのを忘れていけないことだ。只でさえ最新の科学が、今までに類を見ないほど進化しているにも関わらず、震災した人々は自分達の家を失った人々が大勢いることを忘れてはいけない。

ロシアでの例で考えてみると

この東日本大震災によってもたらされた被害は津波もあるが、もう1つ忘れてはいけない原子力発電所の事故を欠かしてはいけない。筆者は別に原子力に対して肯定するわけでも、否定するわけでもない、ただ扱いを適切に行っていればそれで良いというスタンスだ。何もエコエネルギー開発を推進するべきだなどということを述べるのではなく、単純にすべてを見通した上で物事を慎重に、そして常に細心の注意を払っていれば問題はないという考えだ。今でこそ自然エネルギーを有効に活用すべきだと述べる人が増えた、だがそうした人々は逆にそれ以前は原子力に依存していた人なのではないだろうかとも、思っている。

今はそんなエネルギー開発などではなく、被災地に分布された放射線について考えなくてはならないはずだ。だがそれも特定秘密保護法案によって公の情報として公開されなくなっている、それで本当にいいのだろうか。これはかつてロシアにおけるチェルノブイリ原子力発電所が引き起こした事故後の状況と、よく酷似しているように思える。ロシアほど日本は酷い状況ではないが、当時ロシアを統治していたゴルバチョフ書記長は詳しい説明を被災者にしなかったことを、よく覚えている人もいるだろう。今の日本はそれに近い状況にあると考えた方がいい。

復興状況が詳しく報道されなくなったことで、現地がどのようになっているのかを知れるようにすることこそ、復興を更に進行させるために必要なことだ。また現地でいまだに不自由な生活を強いられている人々の救済することも、やはり急務といえるだろう。

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    東日本大震災から見る復興支援の実態